相手が交渉で支払に応じない、又は交渉にすら応じない。
そういう場合は、法的手続きにより、相手に支払ってもらうか、相手の
資産等から回収するしかありません。
訴訟手続きを行うことにより、交渉では支払いをしなかった者が支払い
をしたり、また、訴訟手続で債務名義を取得して、強制的に相手の財産
から回収することになります。
債務名義とは
強制執行によって実現されることが予定される請求権の
存在,範囲,債権者,債務者を表示した文書のことで、強制執行申立て
る際に強制執行ができることの根拠を表したものです。
管轄裁判所
債務者の住所地又は居所の地域(これを普通裁判籍といいます)を
管轄する裁判所が管轄となります。(民事訴訟法4条2項)
居所が知れないときは最後の住所となります(民事訴訟法第4条2項)
法人や社団、財団の場合は主たる事務所又は営業所の地域が
普通裁判籍となります。
事務所や営業所が無いときは代表者や主たる業務担当者の住所に
なります。(民亊訴訟法4条4項)
義務履行地を管轄する裁判所
{弁済をすべき場所について特段の意思表示無いとき、債務者は債権
者の現在の住所で支払うがあるので(弁済をすべき場所=義務履行地
が)債権者の住所となる 民法484条}
(民亊訴訟法第5条1項)
住所とは、
生活の本拠としている場所のことで、住民票上の住所かどうか
により住所が定まるということにはなりません。
住民票上の住所と異なる場所に生活の本拠を置いていた場合は、
実際に生活の本拠としている場所が住所となります。
居所とは
、継続して居住しているが生活の本拠ではない場合の場所であり、
住所が知れない場合は居所が住所とみなされます。(民法23条1項)
手続きの流れ
管轄裁判所に訴状を提出して行います。
相手方である被告の所在地適法に訴状が送達されないと、訴訟手続きは
開始されません。
送達について詳しくは「送達
」をご覧ください。
送達がされた時に第1回期日が指定されます。
(送達文書の中に期日の指定の書面が入っています)
最初の期日は、被告は答弁書を提出すれば、欠席しても答弁書が陳述さ
れたものとみなされます。(陳述犠牲)
欠席扱いとはなりません。
2回目以降の期日で、一方が欠席した場合は、相手方の主張が認められ、
欠席した者は不利益を被る場合があります。
双方が出席して裁判が続いた場合、双方がお互いの主張を譲歩して一定
の合意に達する「和解」や双方が譲歩せず、裁判官の「判決」の言渡により
終結することになります。
このときの「和解調書」や「判決書」が確定すると債務名義となります。
少額の債権で請求する法的手続き
少額の請求の場合に簡易な手続きで迅速に進めることのできる手続きも
あります。
「支払督促
」(督促手続き)
「少額訴訟
」
また、裁判をおこさずに裁判所で和解手続を行う「即決和解
」と言う手続き
もあります。
即決和解と公正証書の比較
即決和解手続と公正証書の手続費用、管轄、債務名義の内容についての
比較を一覧表にして解説しています。
「即決和解手続と公正証書比較一覧表
」をご覧下さい。
強制執行手続
判決書や和解調書を取っても相手が支払いをしない場合は
「強制執行手続き
」を行うことになります。