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藤田司法書士事務所 債権回収・売掛金・代金請求  
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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                債権回収Q&A7

トップページ>債権回収Q&A>Q&A7

         
           債権回収/売掛金・代金・貸金の請求について
     疑問、質問についてわかりやすく解説します。
             
         

     Q7 集合(流動)譲渡担保と 動産売買の先取特権
      
〜多数の流動性のある商品についての担保権の設定〜
      

            当社(A社)はB商店に商品を継続的に販売しています。
        しかし、B商店の商品の代金の支払が滞っています。
               B商店は当社から仕入れた商品を小売することにより、収益を
           得ています。

      B商店が当社から仕入れた商品を販売することは、B商店が当社
      に対する代金の支払原資ができることであり、当社としても望んで
      います。

      B商店はめぼしい資産は無く、当社から仕入れた商品くらいしか担
      保に取るものはありません。

      動産質権※1は債権者(A社)が占有しなければ成立せず、動産売
      買先取特権※2や譲渡担保権※3は、 第3者が担保物を取得した
      場合は「即時取得※4が成立したりすること」や「民法の規定」により
      担保物に対する担保権 (優先弁済権)は無くなってしまうと聞きまし
      た。

      B商店は第3者である不特定多数の人に当社から購入した商品を販
      売することが営業上の目的であり、 当社も販売してもらって利益をあ
      げてもらわないと困ります。
      このような場合、有効な担保権設定の方法はありますか?

      ※1動産質権については「Q&A4 動産質権」をご覧ください。
       ※2動産売買先取特権は「Q&A6 動産売買先取特権」をご覧ください。
             ※3譲渡担保権は「Q&A5 譲渡担保」をご覧ください。
             ※4 即時取得は「Q&A5」の頁で解説している 即時取得をご覧ください。

               

         A7


      動産売買先取特権や動産質権等の担保物権は、物権であり、特定の
      物(動産)の上に成立するものですから、A社がB商店に売った個々の
      商品の上にそれぞれ成立しています。
      よって、それらの商品が売れて第3者に渡ってしまうと、物権は消滅して
      しまいます。

      {動産売買先取特権についての(物件消滅の)根拠は民法333条(「先取
       特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した
             後は、その動産について行使することができない。」)
             そもそも動産質権は、債権者が占有していないと第3者に対抗できない
             (担保権を主張できない)}

             担保物権とは、債務の履行を確保する為に、特定の物に対して何らかの
             支配を及ぼすことの出来る権利です。

             譲渡担保も基本的には同じで、特定の物の上に担保権的効力が及びます。

             そして、担保物である商品が第3者に販売されると、該当商品については
             即時取得により、譲渡担保は消滅します。
             譲渡担保と即時取得の詳しい解説は「Q&A5」の
即時取得をご覧ください。

             しかし、多くの商品を継続的に小売店に卸している会社は、小売店が販売
             することによりどんどん担保権が消滅してしまい、(小売店が代金を払ってく
             れない状態が続くと)担保の価値が「小売店が商品を売れば売るほど減少
             してしまう」ということになります。
             そして、B商店に新しく納品した商品についても、その都度譲渡担保契約を
             締結しなければならないとすると、ABはお互いに大変です。


            流動動産に対する譲渡担保設定の可否

            上記のように多くの動産の仕入れがある、又は継続的に仕入れがある場合
            に多くの動産が流動的に出たり入ったりを繰り返す、つまり集合動産の構成
            部分が変動している状態です。(流動動産といいます)

            この流動動産であり集合動産である動産の譲渡担保はその動産の「種類」
            、「所在場所」、「量的範囲」を指定する等何らかの方法で目的物の範囲が
           指定される場合には1個の集合物として譲渡担保の目的物として認められて
           います。(昭和54年2月15日最高裁判決)

           また、「集合物を目的とする譲渡担保権につき対抗要件を具備した場合、こ
           の効力は、その後、構成部分が変動したとしても、集合物としての同一性が
           損なわれない限り、新たにその構成部分となった動産を包含する集合物に
           ついて及ぶものと解すべきである」(昭和62年11月10日判決)としています。


     流動動産である集合動産を第3者が取得した場合

     それでは、譲渡担保となっている商品を第3者が取得した場合はどうなる
     のでしょう?

     上記でも述べましたが、B商店が小売をすることは通常の営業であり、担
     保権者であるA社の担保権的効力を直接害するとはいえません。
     第3者取得を問題とする場合に考えられるのは、通常の営業とは異なり、
     A社の権利を害する行為があった場合です。

     例えば、倉庫内の全部又は一部の商品を第3者に対して「無償」で若しく
     は「無償に近い価額」で譲渡した場合や通常の営業の範囲ではなく譲渡担
     保権者を害する売却等が問題になります。

     説明の前提として確認しておきたい事項があります。
     第3取得者が「即時取得」の要件を備えた場合は、第3取得者が「譲渡担保
     の無い所有権」を取得できるということです。

     判例では、流動動産譲渡担保権設定者(Q&Aの事例でいうとB商店)は通
     常の営業の範囲内で担保目的物の処分権を有していることを認めた上で「
     対抗要件を備えた集合動産譲渡担保の設定者がその目的である動産につ
     き通常の営業の範囲を超える売却処分をした場合、当該処分は上記権限に
     基づかないものである以上、譲渡担保契約に定められた保管場所から搬出
     されるなどして当該譲渡担保の目的である集合物から離脱したと認められる
     場合でない限り、当該処分の相手方は目的物の所有権を承継取得すること
     はできないというべきである。」として、通常の営業の範囲を超えた売却処分
     については買主である第3者は所有権を取得できないとしています。

     又この判例では、「通常の営業の範囲」についての基準は示されていません。
     なお、「集合物から離脱したと認められる場合でない」状態であるという条件
     下を示しています。


     集合動産の即時取得

     判例の状況の「保管場所から搬出されていない」状態である場合とは、第3
     取得者は「占有改定」による占有の状態であるといえます。

     {占有改定とは自己の占有物を自分の手元に置いたまま、他社に占有を移
      転する占有の形態です。(民法183条により認められています。)}

     「即時取得」の要件は、「占有改定」による占有では成立しないとしています
     (昭和32年12月27日最高裁判決)から、判例の事例では本来第3取得者は
     即時取得が成立する状況にはない(所有権を取得できない)ことが確認でき
     ます。

     そして、通常の営業の範囲外であれば、譲渡担保権者を害する売却行為を
     認めないとしたことで、「流動動産である集合動産譲渡担保」の効力につい
     て、通常の営業の売却行為には(効力は)及ばないが、

     1、通常の営業の範囲外での売却行為 
     2、即時取得が成立していない 
     3、集合物から離脱していない

     という条件下では認められるということを示していると考えられます。


     動産売買の先取特権と集合動産譲渡担保

     動産売買の先取特権を主張する人と集合動産譲渡担保を主張する人とが
     競合した場合、どうなるのでしょう?

     昭和62年11月10日最高裁判決で譲渡担保権を主張することが出来る旨
     を判示しています。

     事例は、譲渡担保権者(動産の売主)Aと担保権設定者(動産の買主)Bが
     構成部分の変動する集合動産について種類、所在場所及び量的範囲を指
     定する等の方法により、目的物の範囲を特定して譲渡担保契約を締結し、
     占有改定による引渡しを受けた(対抗要件を取得した。)
     その後、Bは,Cから同種類の動産(本件物件という)を買い、Aから購入し
     た動産と同じ保管場所に搬入した。

     その後、Cが本件物件について「動産売買の先取特権に基づく動産競売」の
     申立をした。
     Aは、本件物件について譲渡担保権の効力が及ぶとして第3者異議の訴えを
     提起した。

     「第3者異議の訴え」とは「強制執行の目的物について所有権その他目的物
     の譲渡又は引渡しを妨げる権利を有する第3者は、債権者に対し、その強制
     執行の不許を求める為に、第3者異議の訴えを提起することができる
     (民事執行法38条)」とするものです。

     最高裁は「動産売買の先取特権の存在する動産が譲渡担保権の目的物であ
     る集合物の構成部分となった場合においては、債権者(A)は右動産について
     も引渡しを受けたものとして譲渡担保権を主張することができ、当該先取特権
     者(C)が先取特権に基づいて動産競売の申立をしたときは、特段の事情が無
     い限り、民法333条の第3取得者に該当するものとして、訴えをもって、右動
     産競売の不許を求めることができる」として先取特権の行使はできず、譲渡担
     保の効力が及ぶと判示しました。

     民法333条 「先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者
     に引き渡した後は、その動産について行使することができない。」

     動産売買先取特権と動産競売申し立てについては
     
「Q&A6動産売買の先取特権」 をご覧ください。

 

   

  








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